預言書としての詩篇(から始まって、今や、様々)

愛される詩篇。その麗しさだけでなく、嘆き、呻きも共感を呼ぶが、預言書としての深い真実があることを解きほぐす。そのほか、つれづれに。

2019年9月のブログ記事

  • 詩篇52

     サウルの忠実な家来ドエグは、ダビデに与したアヒメレクを始めとする祭司達85人をサウルの命令により虐殺した。それ以上に、乳飲み子に至るまでだ。それを非難しているのが、1~4節である。『それゆえ、神はおまえを全く打ち砕き』と容赦なき裁きが宣告されている、それが5節である。が、ドエグが本当にそういう目... 続きをみる

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  • 詩篇51

     「ただ、神様にだけ罪を犯した」とダビデは言う。彼は偶像を拝んだのか、それとも神を呪ったのか。いや、他人の奥さんを奪い、その夫(自らの部下ウリヤ)を殺したのだ。被害者はウリヤである。ダビデはウリヤに対して罪を犯したのだ。勿論、それは神の前に罪である。しかし「ただ、神様にだけ罪を犯した」とはどういう... 続きをみる

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  • 詩篇50

     神は、御自身が審判者としてイスラエルを「告発する(新共同訳)」(新改訳では、戒めよう)と言う。その証人として、天と地を呼び寄せる、と。その告発の内容は8~13節だ。ここで神は「いけにえが欲しいのではない」と言う。民が年貢を納めていない(神のものを盗んでる)と怒っているのではない訳だ。そもそも、獣... 続きをみる

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  • プレスリリース!

    10月1日発売の新刊が出版社からプレスリリースされた。 この記事がまた、いい。 とても。 うれしい。 もう一つ、別のも。 読まれたい。 <追記> 出版社がプレスリリースを流しても、その全てが記事になるわけではないらしい。つまり、記事にする価値があるかどうかが判断されるということだ。 そんな中、3社... 続きをみる

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  • 詩篇49

     「どうして私は恐れなければならないのか」と詩人は言う(5節)。それは「主よ、何故ですか!」という嘆きかと言えばそうではない。続く7~9節には「人は必ず死ぬ」「命は買い戻せない」という事が言われている。つまり、文脈としては「豊かな富を誇る人などから中傷されても、どうって事はない。人は必ず死ぬ」とい... 続きをみる

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  • 詩篇48

     「シオン」は、エルサレム(その住民)、あるいは、ソロモンが建てた神殿のある丘をシオンとも呼ぶ。いずれにしてもごく狭い範囲である。そのシオンにおいて神は大いにほめたたえられるべき方だというのであるが、はて、神は全地でほめたたえられるべきお方ではないのか。そう、ここで言うシオンとは、単なる丘などの事... 続きをみる

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  • 詩篇47

     他の詩と違い、47篇には嘆き、呻きというようなものが無い。皆無だ。あるのは、ただ勝利。ヘブル人をカナンの地に導いてくれたいと高き神を誉めよと言う、この詩は実に神の勝利の詩だ。  ただ、その時、神がどんな奇跡を行ったのかなどという事は問題ではない。何故なら、旧約の出来事は、新約で示された神の御心(... 続きをみる

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  • 暴風の脅威!

    昨夜の暴風(台風)で飛ばされて来たモノ。 ありえない! おそろしい。 こんなの頭に当たったら死ぬな。 本当は、もっと散らかってたんだけど、ヨイショヨイショと端に寄せておいて、今朝撮影。

  • 詩篇46

     苦難の時、必ずそこに居まして助けて下さる(新共同訳)、それが神だと言う。頼もしい限りである。だが、何故いつもそこに居るのか。神のいる所に災いがあるという事か。いや、神が居る居ないに拘らず、人生に苦難はある。問題は、その時に助けがあるかどうかだ。  そこで、神は助ける、と聖書は言う。「ならば、どう... 続きをみる

  • 詩篇45:12~17

     ここには「御子」と「娘」の婚礼の様子が描かれているが、それは霊的には、キリストと教会の事である。そして、それは恋愛に基づく結婚ではなく、一心同体となる事を意味している(エペソ5:22~31)。  夫婦は一心同体。果たしてそれは本当か。「夫は妻を自分の体のように愛せ」と聖書が教えるのは、「現実は... 続きをみる

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  • 詩篇45:1~11

     この詩は、表面的には、地上の王への賛辞であると見える。が、実は、主の主・王の王キリストの事を歌っている「メシア詩篇」である。  油注がれたキリストである御子は信じる者が救われる為にと身代わりに十字架で死に、葬られた。その葬りの時、キリストの体は没薬とアロエと香料(肉桂も香料)に包まれた。勿論、香... 続きをみる

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  • アマゾンで本日予約開始!

    本のタイトルは、 『苦しくならない聖書の本』 ~福音の真理・命を守りたくて~ (著者:金本友孝) 玄武書房 アマゾンの検索で「聖書」「本」を入力して現れた中から上記の本を購入して頂くと、ランキングが上がる可能性があるそうです。 よろしくお願いいたします! これを機にハンドルネームをPTKから本名に... 続きをみる

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  • 詩篇44:9~26

     イスラエルは神の力に頼って様々な戦いに勝利した。それゆえに『御名をとこしえにほめたたえます』と8節で結ばれた。『それなのに』神に見捨てられた、と9節から16節は言うが、それはイスラエルが神により頼まず、他の神(偶像)を頼みとしたからである。つまり、イスラエルが神に見捨てられたという事実(殆どの人... 続きをみる

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  • 詩篇44:1~8

     一読した限り、敵と戦って勝利出来たのは神のおかげだ、というようなことが書かれていると思われる。確かにイスラエルは数々の戦いを神の力によって勝利した。だから? 聖書は私達にも「勇ましく戦え」と勧めているのだろうか。  確かに、人生は戦いだ。しかし、それは決して隣人との戦いではないし、隣国との戦いで... 続きをみる

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  • 10月1日発売決定!

     かねてからお知らせしている新しい本の刊行が10月1日と決まりました。  まもなく、アマゾンのページが出る予定ですので、その際、本のタイトルと表紙、そしてアマゾンのページのリンクを貼ります。  過去に2冊、キリスト教出版社の「I社」から私の本が出版されています。それは2冊とも「自叙伝」(前編と後編... 続きをみる

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  • 詩篇43

     『わがたましいよ。なぜ、おまえは絶望しているのか』…それは、神に絶望する必要は無い、ということである。何故なら、神の裁きは公正であるからだ。ゆえに詩人は『欺きと不正の人から私を助け出してください』と訴える。詩人の周りには、欺く人、不正な人が取り巻いていたのだろう。いやむしろ、この世自体が、欺きと... 続きをみる

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  • 詩篇42:5~11

     魂が渇いて命の水を慕い求めていた詩人は、言わば霊的断食状態の中で断食の明ける日を期待しているのかと思えば、なんと、絶望していると言うのだ。「何故?」と詩人自身、自らに問いかける。それは、絶望している理由を聞きたいのではない。「絶望する必要はないでしょ?」と主張している、それが「何故?」だ。だから... 続きをみる

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  • 詩篇42:1~4

     私の魂は渇いている、と詩人は言う。命の水(霊的栄養=賛美、祈り、礼拝)が足りないのだ。それは、荒野を逃げ惑っているという状況だから無理もないことだ。だから「いつになったら思う存分、礼拝出来るだろうか」と、エルサレムにいた頃の礼拝の満足感などを思い出しながら、それが出来ない今の魂の渇き(胸の内、そ... 続きをみる

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  • 詩篇41

     聖書は、ある特定の、時代・宗教的背景・政治的状況の下で書かれているということを踏まえて読まなければ、正しく理解することは出来ない。例えば、主は弟子達を伝道に遣わす際「神の為に働く者が食べ物を与えられるのは当然」と言われた。それは、ユダヤ(単一宗教社会)においてこそ、のことであり、今の日本では当然... 続きをみる

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  • 詩篇40

     嘆き一辺倒という訳ではない。記念でもない、アルファベット詩でもない。では、教訓? 預言? この詩は何か。  1~2節は、救いの表現である。私達も、これとほぼ同じプロセスを通る。主を呼び求めて(底無し沼から引き上げられるように)救われるのだ。救いは、自分の行い、努力、修行などにはよらない。救い主に... 続きをみる

  • R.I.P.

    急性白血病で入院していた妻の母が昨日、天に帰った。 苦しまずに天国に行きたい、と願って、緩和ケア病棟に入院して約2週間。 あっという間だった。 少しは苦しみもあったろうとは思うが、それが長く続かずに済んだことが慰めだと思う。 さすがに娘(私の妻)にとっては寂しく辛いことだ。 妻が泣くのを見るのが私... 続きをみる

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  • 詩篇39

     舌は悪、死の毒に満ちている、不義の世界だ、とヤコブ書では厳しく指摘されている。ダビデも『舌で罪を犯さないために』と沈黙した。ただ問題は、『よいことにさえ、黙っていた』(別の翻訳では「良いことさえも何も言わなかった」)というところだ。それで苦しくなった、というのである。  たまりかねて、ダビデは口... 続きをみる

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  • 詩篇38

     自らの過ち、罪の経験、その苦しさを忘れないように(記念の為に)、ダビデはこの詩を、読者の為にではなく、自身の為に書いた。その苦しみの表現が全篇に渡って切々と記されている。それでいて、表題には「賛歌」とある。果たして、この詩から私達は何を学ぶべきか。  唯一、前向きな信仰が見られるのが13~15節... 続きをみる

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  • 詩篇37:35~40

     『平和の人には子孫ができる』と言うが、ある人はこの言葉に違和感を覚え、ある人(例えば、不妊で悩む人)は躓くかもしれない。これは翻訳の問題である。『子孫ができる』は直訳は『未来がある』であって、新共同訳では、ちゃんとそう訳されているのに、不思議だ。  さて、この37篇は「この世にあって悪は栄える」... 続きをみる

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  • 詩篇37:30~34

     正しい者は知恵を語る、と詩篇は更に言う。知恵と言えば、箴言だ(知恵についての教えが99回も出て来る)が、その中でも注目すべきは『主を恐れることは知恵の初め、聖なる方を知ることは悟りである』(箴 9:10)だ。真の神がおられると知る(そして従う)こと、それが「知恵の初め」だと言うのである。口語訳で... 続きをみる

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  • 詩篇37:23~29

     「人の歩みが確かにされる」とは、人生が安定する、ということだろうか。いや、続く24節では『その人は倒れてもまっさかさまに倒されはしない』とある。その人は倒れない、とは言っていない。倒れても致命傷にはならないだけで、普通に倒れることもあるということだ。それを「安定」とは言えない。そもそも、世にあっ... 続きをみる

  • 詩篇37:8~22

     『怒ることをやめ』よと、この詩は言う。確かに、信仰者は柔和で温厚で人格者、というイメージがあるだろうから、怒りは相応しくないかもしれない。特にキリスト教は、愛し合いなさい、赦し合いなさい、受け入れ合いなさいと教えるのだから尚更だ。しかし『怒っても罪を犯してはなりません』(エペソ4:26)とある... 続きをみる

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  • 詩篇37:1~7

     悪が栄えるのを見るときに、怒りと共に、もしかしたら妬みも感じる、ということがあるかもしれない。「そうだ、罪の限りを尽くして、死ぬ間際に悔い改めれば……」と。そんな考えを持たないように(それは甘い)ということが言いたい1節である。何故なら、彼らは必ず倒れる時が来る、と2節。だから主に信頼して、真面... 続きをみる

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  • 詩篇36

     『罪は悪者の心の中に語りかける』と言うが、罪は生き物ではないし、口も持たない。結局は自分だ。そして、「語りかける」というヘブル語「ネウム」は「お告げ」を意味する。例えば「神のお告げ」のように、罪の性質に従う自分自身が自分の心にお告げをする、ということだ。そして、その「お告げ」に従って罪を行なう(... 続きをみる

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  • 詩篇35

     例によって、苦しみの叫びと悲痛な祈りだ。しかし、ダビデには、信仰による勝利の確信がある。だったら何故、神への批判があるのか。『目をさましてください』(つまり「正気に戻って下さい」)とダビデは神に訴える。神のしていること(悪を放置し、沈黙していること)は間違ってる、と批判しているのである。なのに、... 続きをみる

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  • 詩篇34:13~22

     心にあることを口が話す、と主は言われた。例えば、「お世辞を言ってやろう」という思いが心にあるから、口からお世辞が出るのである。心にも無いことは口から出ないのだ。ゆえに、心に何を満たすかが重要である。もし、聖霊に逆らうことを言うなら、それは、神を恐れる思いが心に無いからである。ゆえに、その言葉によ... 続きをみる

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  • 感涙必至

    妻の母が急性白血病で入院した。 当初の見立てでは、余命数日~数週間か、とも。 そこまでではないかも、とのことだが、 治療という段階を一足飛びに緩和ケア病棟に。 勿論、神は全能ではある。 しかし、癒し・奇跡を求めて足掻き苦しむより、緩和ケアで快適に、喜びつつ天国への備えをすることを即断した。それは信... 続きをみる

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  • 詩篇34:9~12

     「主を恐れる(主を愛し、信頼し、従う)なら、乏しいことがない」と聖書は言う。これは、クリスチャンは金持ちになれる、ということか。いや、これは、若い獅子や若者(イザヤ40:30~31参照)のように力があっても、やがては衰え、死ぬということに対してのクリスチャンの姿を言っているのだ。つまり「外なる... 続きをみる

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  • 詩篇34:1~8

     『私の口には、いつも、主への賛美がある』とダビデは言う。が、実際のところ詩篇は、かなりの部分が、ダビデの嘆きと悲痛な祈りの言葉によって占められているではないだろうか。特に、この34篇は表題にある通り、極限まで追い詰められた時(Ⅰサムエル21:10~15参照)に歌ったものだが、彼は『非常に恐れ』て... 続きをみる

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  • 詩篇33:20~22

     前回の「神の慈愛(救いの完成)を待ち望もう」の続きである。それを待ち望むのは、私達の「心」ではなく「魂」だと言うのだが、どういうことだろう。心では「宗教なんか要らない」と思う人もいるかもしれない。頭では「天国なんか無い」とも考えるかもしれない。しかし、魂は救いを求める、それが人間だということだ。... 続きをみる

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